昔のカセットテープを掘り起こしてみた&Flutter of birdsシリーズの件

押入れを片付けていたら、大量のカセットテープが詰まった段ボールがこれまた大量に出てきました。そこで、なんか面白そうなモノが出てきそうなのでアマゾンで一番安いカセットテープUSBキャプチャを買って再生してみました。いや~、面白い(笑 大量の懐かしいモノが出てきました。高校生の頃のバンドの曲とか、まだ会社員だった頃に作ったPCエンジンのゲーム曲デモテープとか、実に過去の歴史を振り返るいい機会になりました。高校生の頃こんなにギター下手だったっけ???とか、音楽学校在籍中に作った曲がこんなにもダサかったっけ???とか、会社員作曲家とはいえこんな酷い曲納品してたのか???とか、いや~人生長かったな~と、ほんと色々思い出しました。そこで、一番作曲家としてやっていけるスキルを身に着けた転機というのがカラオケデータ作製時代だったということがよくわかったのです。そりゃ1000曲以上もいろんなジャンルの曲を、いろんなそれぞれの楽器を耳コピして徹底的に作りまくっていたわけですから、そりゃスキルも上がりますよ。このイメージの曲はこの楽器使って・・・みたいな定石があって、それほとんど把握できるようになったんですから。このカラオケ作製の仕事を受けていた前と後では、全く別人が作ったような曲が作れるようになってました。それでも、いや~、若い頃に作ってた曲って、自分でも驚くくらい攻めてるなぁと。悪く言えばやりたいことは分かるけど空回りしてるというか、よくいえば先が読めずに次の展開がどうなるかわからずワクワクするというか、絶対一般受けしないだろwという曲が結構ありました。私の所属しているサウンドチームのソルシエールサウンドデザインは創立当初からの流れでエロゲ関係の仕事が多く、エロゲって大抵小規模会社が作製しているので、楽曲の発注も結構制作者任せな自由度が高かったんですよ。例えば、ほとんどのケースは15曲くらいBGM・主題歌含め1タイトルで発注くるのですが、大体イメージ指定がA4ペラ1,2枚程度だったりするんですよ。悲しい感じ、楽しい感じ、日常、ロマンス、みたいな羅列で、なるべくこちらもどんな場面でも使えるように汎用性を配慮しながら作っていたんですが、その中でも異色のタイトルがflutter of birdsシリーズでした。もう20年以上も昔のソフトなので触れてもいいかなと思いますけど、まず、発注の次点で曲のイメージ指定だけで10枚以上も細かく送られてきたんですよ。もう作り手の監督さんの熱意が他のタイトルとは別次元だというのはそれだけで伝わってきました。私、同人誌とか恋愛シミュレーションゲームとか他のエロゲとか全然興味なくてこのタイトルの原画・監督が竹井さんという方で、とても有名な方だと聞かされても「ふ~ん」って程度だったんです。しかし、指定原稿読んでからこっちも本気でいかないと失礼だなと、当時の本気度MAXで作りました。結果、flutter of birds は売上もそこそこ成功したわけなんですけど、これまたエロゲにも泣きゲーとかいろんなジャンルがあるということをこの時初めて知ったんですけど、作品のプロトタイプができて発売前の非売品宣伝用パッケージ貰ってプレイしたんですけど、いや~、まじ泣きましたわ。ゲームであんなに泣いたの初めてでしたわ。自分の作ったBGMで泣くとか、まじあり得ないと思うくらい泣きました。どうやら声優さんたちの収録現場もすごかったらしくて、録音1日でティッシュペーパー1ダース無くなるくらい声優さん含め、収録者側スタッフも作業中号泣していたらしいです(笑 確かにゲーム中の声優さんのセリフ聞いてると、泣きのシーンで所々地声が出てるんですよ。この時竹井さんてすんげー人なんだなぁと思いました。で、続編制作が決定して、改めて当時の竹井さんの会社ZEUSを訪れ打ち合わせしたのですが、あまりにごく普通のおっさんでびっくりしました(笑 とまぁこんな流れでflutter of birds II も発売されこのシリーズのファンになってくださった方々の手にとっていただき、私としてもこのflutter of birds シリーズが今でも一番の代表作になったわけですが、IとIIではBGMや主題歌の作り方のアプローチが全然違うのに気づいていただけると非常に嬉しいです。個人的には時代背景やストーリーのテーマの違いを上手く表現できたつもりではありますが・・・惜しいのは実は当初3部作の予定だったんですこれ。諸事情によりIIIは出ることなくこのシリーズは終わったのですが、私個人もこのゲームシリーズの制作者側でありまた1ファンとして、IIIは作りたかったしプレイしたかったですけど、ほんと、残念です。

ということで、懐かしいもの発見したネタでした。


追記:flutter of birds I と II オープニングデモ曲について、イントロが同じ?という疑問が当時巷で謎とされておりましたが、あれ、竹井監督のリクエストによるものです。曲の入りと終わり方を I と同じにして欲しいとのリクエストからあのような曲展開となりました。

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